こども園向け防災ヨガとは
こども園では、日頃から避難訓練や防災教育が行われています。
防災ヨガは、そうした取り組みを土台にしながら、
- 災害時・災害後の子どもの心と体の反応
- 不安や緊張が続く中での安心感の育て方
- 日常を取り戻していくための関わりと遊び
を、ヨガと遊びを通して体験的に伝える取り組みです。
特別な道具や知識がなくても、
園の日常や避難訓練の延長として実施できることを大切にしています。
災害後、子どもたちに起こりやすい変化
東日本大震災や能登半島地震の後、
子どもたちには次のような変化が多く見られたと報告されています。
- 親から離れられない、ひとりで遊べなくなる
- 地震ごっこ(防災無線の真似など)を繰り返す
- これまで好きだった遊びをしなくなる
- 怖い夢を見る、眠れない
- 頭痛・腹痛など、身体の不調を訴える
感情面では、
- 強い不安感、怒りやかんしゃく
- イライラ・もやもや・焦り
- ビクビクする、緊張が抜けない
- ぼーっとする、元気がない
- 凍りつき(フリーズ)
などが見られることもあります。
言葉で気持ちをうまく表現できない子どもだからこそ、
体を通して「ゆるむ」「落ち着く」感覚を知っていることが、
その後の回復にとってとても重要になります。
防災ヨガで大切にしている2つのこと
① 日常を取り戻すこと
子どもにとっての「日常」とは、
- 食事
- 着替え
- 歯みがき
- 睡眠
- そして 遊び
です。
災害時には遊び道具や環境が十分でないこともありますが、
体ひとつでできる遊び(ヨガ)は、
どんな状況でも日常性を取り戻す助けになります。
② 安心感を与えること
安心感は、
- 話を聞いてもらえる
- 否定されない
- そばに信頼する大人がいる
という体験の積み重ねで育ちます。
防災ヨガでは、
特定の子どもだけに関わるのではなく、
全園児が平等に安心を感じられる構成を大切にしています。
それが、ヨガのクラスの最後に必ず行う
「夢見のポーズ(シャヴァーサナ)」です。
夢見のポーズ(シャヴァーサナ)について
夢見のポーズとは、
仰向けになって静かに休む時間のことで、
ヨガの中でもっとも大切な時間とされています。
この時間には、
「今、体はどんな感じかな?」
「どんな気持ちかな?」
と、自分の体や心に意識を向ける(気づく)ことを行い、
- 動いたあとに、しっかり休む
- 落ち着いた状態を体で覚える
という体験を重ねていきます。
さらに、大人が
- 頭や背中にそっと触れる
- 「大丈夫だよ」「ここで休んでいいよ」といった声かけを行う
など、子どもが安心を感じやすい関わりを取り入れます。
日頃からこのような「安心してゆるむ体験」を重ねておくことで、
災害時や不安の強い状況でも、
「夢見のポーズで少し休んでみよう」と
自分を落ち着かせる行動につなげることができます。
「0〜10段階」で気持ちを見える化する
子どものためのヨガでは、
元気度とリラックス度を、0〜10段階で表し、視覚的に伝えることがあります。
これは単なる数値化ではなく、
今の自分の状態を、感覚的に理解する助けになります。
たとえば、
- 0:嵐・大雨
- 5:くもり
- 10:よく晴れた空
というように、わかりやすく天気で表現することで、
- 気持ちは毎日、天気のように変わること
- 低い日があってもいいこと
- 心や体も、少しずつ回復していくこと
それは自然なことだと伝えます。
このプロセスは、
- 他人と比べない
- 「今の自分」に気づく
- 回復していく過程があることを知る
ことにつながり、
子どもの穏やかさや集中力の土台にもなります。
防災ヨガの内容例
- ダンゴムシのポーズ(身を守る姿勢)
- ひよこの姿勢(煙を吸わない避難の動き)
- 呼吸と簡単なヨガ遊び
- 絵本・紙芝居を使った防災の導入
- 夢見のポーズ
- パラバルーンを使った津波体験
※園の避難訓練や月齢・発達に合わせて調整可能です。
関連ページ
防災ヨガ全体の考え方
防災ヨガの全体像や、対象別の考え方については、
こちらのページでご紹介しています。
▶︎ 防災ヨガについて
子どものためのヨガ
子どもの心身の育ちを支えるヨガの考え方は、
こちらのページでも詳しくご説明しています。
▶︎ なぜ、子どもにヨガが必要なのか
ヨガとは何か
本ページで用いているヨガは、
運動能力や柔軟性を求めるものではありません。
ヨガの基本的な考え方については、
こちらで簡単にまとめています。
▶︎ ヨガについて
ご相談について
実施の形や時期が決まっていなくても、
「こんな場面で使えるか知りたい」という段階から
ご相談いただけます。
園の方針や現場の状況に合わせて、
無理のない形をご一緒に考えます。