現代の子どもたちは、
情報量の多さや生活環境の変化の中で育っています。

その一方で、
心や体の使い方、人との関わり方に
難しさを感じる場面が増えていることも指摘されています。

ここでは、
現代の子どもたちを取り巻く環境と、
その中で「ヨガ」という関わり方が
どのような役割を持ちうるのかを整理してお伝えします。

現代の子どもたちに見られる傾向

近年、子どもたちの育ちについて、
次のような傾向が指摘されることがあります。

  • 基本的な生活習慣や態度が身につきにくい
  • 他者との関わりに難しさを感じやすい
  • 自制心・集中力・忍耐力の低下
  • 運動量の減少や体力の低下
  • 自尊感情の低下

学校生活の中でも、

  • 学習に集中しづらい
  • 話を聞くことが難しい
  • 学びへの意欲が続きにくい

といった課題が見られることがあります。

子どもを取り巻く生活環境の変化

子どもは、自分で環境を選ぶことができません。
そのため、生活環境の変化は、
心身の育ちに大きな影響を与えます。

情報化の進展により、
知識に触れる機会は増えましたが、
体験を通して学ぶ機会は減少しています。

また、屋外での遊びや自然との関わり、
異年齢との交流が少なくなったことで、
体を使って感じる経験や、人との距離感を学ぶ機会が
得にくくなっています。

体を動かす機会の減少は、
姿勢の乱れや呼吸の浅さにつながり、
集中力や自律神経のバランスに
影響を与えることもあります。

子どもの育ちにおける「体験」の大切さ

子どもが成長し自立していくためには、
成功体験だけでなく、
うまくいかなかった経験や葛藤も含めた
多様な体験が必要だと言われています。

しかし現在は、
そうした体験を積む機会が
得にくい社会環境になっているとも考えられます。

心と体の感覚を使いながら、
自分の状態に気づく時間を持つことは、
子どもの育ちを支える一つの土台になります。

こどもヨガがもたらすもの

こどもヨガには、次のような点が
報告・期待されています。

  • 姿勢の改善
  • 足裏の発達(土踏まずの形成)
  • 集中力や落ち着きの向上
  • 生活リズムの安定
  • 睡眠の質の向上

ただし、
ヨガは「成果を出すための指導」ではなく、
子どもが自分の状態に気づくための時間です。

子どもヨガの特徴

① 発達過程に沿った、無理のない動き

ヨガの基本的な動きは、
赤ちゃんが成長し、立って歩くまでの
背骨の発達過程と重なる部分があります。

そのため、
子どもの体にとって自然で、
無理のない動きとして取り入れやすい特徴があります。

② 動いたあとに「立ち止まる時間」がある

ヨガでは、動いたあとに
意識的に休む時間を設けます。

その中で、
自分の体や心の状態に気づく経験を重ねていきます。

こうした時間は、
自己意識の形成や、
他者との関わり方を学ぶ土台にもなります。

③ 呼吸を通して、自分を大切にする感覚を育てる

呼吸は、自律神経と深く関わっています。

こどもヨガでは、
遊びの要素を取り入れながら、
自然と深い呼吸ができるよう工夫します。

呼吸に意識を向ける経験は、
自分の状態に気づき、
自分を大切にする感覚につながります。

大人の関わり方について

こどもヨガでは、
大人の関わり方も大切な要素です。

  • ポーズの完成を目的にしない
  • 他の子と比べない
  • どんな表現も尊重する
  • 静と動の切り替えを大切にする
  • 子どものペースに寄り添う

大人が評価を手放すことで、
子どもは安心して自分を表現できるようになります。


参考文献・出典

※本ページの内容は、
子どもヨガの指導・研究の知見をもとに構成しています。

参考文献:
・伊藤華野『はじめよう!キッズ・ヨーガ』
・文部科学省
 「現代の子どもの成長と徳育をめぐる今日的課題」
 「子どもの育ちの現状と背景」

※伊藤華野先生(キッズヨーガ研究の第一人者)より学んだ内容を、
現場での実践に活かしています。