理学療法士として事業所へ|仕事を知ることから始まる職場の健康づくり
8月24日に、保健所から派遣される「おおいた心と体の職場環境改善アドバイザー」として、市内の建設業の事業所を訪問しました。
今回は、理学療法士の私、作業療法士、保健師の方々と一緒に、職場環境の巡視や従業員の方への聞き取りを行いました。
今回は、1回の講座を行って終わるのではなく、実際の職場を見て、話を伺い、課題を整理した上で、次回の改善提案につなげていく取り組みです。

「建設業」と聞いて、最初に思い浮かんだこと
以前、保育士さん向けの腰痛予防講座に伺ったときは、普段から仕事内容をイメージする機会も多く、身体への負担もある程度想像することができました。
一方、今回は建設業。
私自身、最初は「重いものを持つ、体を使う仕事」というくらいのイメージしか持っていませんでした。
ところが、実際に現場を見せていただくと、想像していた以上に身体的な負担が大きく、同時に、とても専門性の高い仕事であることが分かりました。
高所での作業、重量のある工具や装備、暑さや寒さ、雨や霜などの天候の影響。
作業によっては、一度始めると長時間続けることもあります。
また、現場で働く方だけでなく、内勤の方には長時間のPC作業による肩まわりの負担など、それぞれの仕事に異なる身体的な負担がありました。
実際に見て、話を聞かなければ分からないことがたくさんありました。
「正しい姿勢」を伝えるだけではない、職場の健康づくり
職場の健康づくりでは、
- 作業方法や作業時間などを考える「作業管理」
- 作業場所や設備などを考える「作業環境管理」
- 働く方の健康を支える「健康管理」
という3つの視点から考えていきます。

もちろん、仕事の性質上、簡単には変えられないこともあります。
だからこそ、「こうしてください」と専門職から一方的に押し付けるのではなく、その職場で今できている工夫や、仕事上変えられないことも含めて理解し、その中でできることを一緒に考えていくことが大切だと感じています。
今回も、すでに事業所で取り組まれていることがありました。
そうした取り組みを活かしながら、
「これならできるかもしれない」
「ちょっとやってみようかな」
と思っていただけるような、無理なく続けられる方法を考えていきたいと思っています。
職場に「行かせていただく」ということ
今回、事業所を訪問して改めて感じたのは、日々の業務がある中でも、働く方の健康や職場環境について考え、私たち専門職の話に耳を傾ける時間をつくってくださった事業所の皆さまへの感謝です。
私たちは、労働環境をより良くしていくために一緒に考える立場ですが、同時に、「このような機会をいただき、ありがとうございます」という気持ちも強くあります。
作業中にもかかわらず、丁寧に仕事のことを教えてくださった職場の皆さまに、本当に感謝しています。
だからこそ、せっかくいただいた機会に対して、少しでも「これはやってみてよかった」と思っていただけるものを提案したい。
そのために、私一人の視点だけではなく、作業療法士や保健師など、それぞれの専門職の視点を持ち寄りながら考えていきます。
そして何より、事業所の皆さまの意向に添えることを大切にしたいと思っています。
専門職が考える「正解」を持ち込むのではなく、その職場で大切にされていることや、今ある工夫、仕事上変えられないことも含めて知った上で、その中でできることを一緒に探していく。
今回見せていただいた仕事や、そこで伺った声を大切にしながら、次回の改善提案につなげていきたいと思います。
働く人が、その仕事をできるだけ安全に、そして健康に続けていけるように。
そのために、自分の専門性をどう活かせるのか。
私自身も学びながら、この活動に取り組んでいきます。
