ヨガは、体が柔らかい人のためだけのもの? インドから学ぶヨガと健康の関係
「ヨガ」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
体が柔らかい人がするもの。
女性がエクササイズとして行うもの。
そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。
先日、第8回ヨーガ研修会に参加し、インドのヨガ教育や医療との関わりについて学びました。
講義を通して感じたのは、ヨガがポーズをとったり、リラックスしたりするだけではなく、教育や健康づくりの中でも活用されているということです。
今回は、理学療法士・ヨガ講師として印象に残ったことをご紹介します。
インドでは、ヨガが健康を支える仕組みの一つに
インドでは、ヨガを専門的に学ぶ教育機関や指導者の資格制度が整えられています。また、健康管理や医療との連携、ヨガの実践方法や効果に関する研究も進められています。
例えば、WHO協力センターであるインドのMDNIYでは、子どもや高齢者、メンタルヘルスなど、対象や目的に応じたヨガのガイドラインが紹介されています。
さらにWHOは、2025年にヨガ指導者の教育内容や必要な知識・技術などを整理した技術文書を発行しました。
▶︎ WHO公式ページ:Training in Yoga: Technical Report(英語)
ヨガは、単に運動やリラクゼーションとして行うだけでなく、指導者の育成や安全な実践という観点からも検討されているのです。
健康を損なう前に、できること

今回の講義では、経済的に恵まれない人たちへのヨガの普及についても紹介されました。
以前インドを訪れた際、都心部でも路上で助けを求める人たちを何度も目にしました。その経験もあり、経済的な事情によって、医療や健康を守る機会を十分に得られない人たちがいることを改めて考えました。
だからこそ、病気になってから対応するだけでなく、日頃から健康を維持し、病気を予防するという考え方も大切だと感じます。
ヨガは、特別な道具がなくても実践でき、身体だけでなく心にも目を向ける機会になります。
健康を守るための身近な方法の一つとして、その可能性を改めて感じました。
基本を学ぶこと。そして、目の前の人をみること。

今回の講義で印象に残ったのは、疾患ごとに実践方法を体系化することと、一人ひとりの状態をみることについての話です。
例えば、糖尿病のある人に、どのようなヨガが適しているのか。
疾患ごとの基本的な知識や実践方法を学ぶことは、安全に指導するうえで大切です。
一方で、同じ疾患があっても、体力や身体機能、生活環境などは一人ひとり異なります。
私は理学療法士としてリハビリテーションに携わってきたため、この考え方にはとても共感しました。
同じ病名であっても、身体の状態や生活上の困りごとは人それぞれです。
だからこそ、基本的な知識をもとに、目の前の人の状態をみて、その人に合った方法を考える必要があります。
これは、私がヨガのクラスでも大切にしていることです。
事前にクラスの流れを考えていても、毎回同じ内容になるわけではありません。
参加される方の体調やお困りごとを伺い、実際に動いたときの反応をみながら、ポーズを変更したり、別の動きに置き換えたりしています。
基本となる知識や技術と、目の前の人をみる力。その両方があってこそ、安全で、その人に合ったヨガを提供できると考えています。
子どもに伝えるヨガにも、学びがある

講義では、インドの学校で先生が子どもたちにヨガを指導するため、自身もヨガを学んでいることが紹介されました。
子どもにヨガを伝える際も、ただ楽しく身体を動かすだけではなく、安全性や発達段階に応じた指導が大切です。
私自身も、子どもたちとヨガをするときには、年齢や発達に合わせた内容や、安全に取り組める方法を大切にしています。
ヨガを、もっと身近なものに
ヨガは、体が柔らかい人や、特別なことに取り組みたい人だけのものではありません。
自分の身体や心に目を向け、日々の健康を考えるきっかけにもなります。
今回の講義で学んだことを、これからのヨガのクラスや地域での活動にも生かしていきたいと思います。
ヨガを通して大切にしていることや、クラスについては、こちらでご紹介しています。

