児童館で「にこにこ親子ヨガ」|こどもの発達と、親子のふれあい
11月5日、三重ふれあい児童館で「にこにこ親子ヨガ」を予定していました。
当日は親子の参加がなかったため、今回は看護科の実習に来られていた学生さん4名と、児童館の先生2名に向けて、親子ヨガの体験と解説を行いました。
大きなぬいぐるみを子どもに見立て、学生さんにはパパやママになったつもりで参加していただきました。
「お子さんの年齢(月齢)はどのくらいですか?」
そんな問いかけから、それぞれ6か月、8か月、1歳、2歳など、具体的な年齢をイメージしてもらいながら進めました。
子どもの発達に合わせた関わり方
0〜2歳といっても、月齢や発達段階によってできることや興味の対象はさまざまです。
例えば、6か月や8か月頃の赤ちゃんには、大きな動きを求めるのではなく、身体を優しくなでたり、手足に触れたりする触れ合いを中心に。
一方、1歳や2歳になると、自分で歩いたり、興味のあるものに向かって動いたりすることも増えてきます。
そのような子どもの動きを無理に止めたり、ポーズをさせようとしたりすることはありません。
子ども自身の自由な表現を尊重し、同じ空間で一緒に過ごすことも、親子ヨガの大切な形です。
親子ヨガで大切にしている5つの視点

今回のお話ヨーガでは、秋の空や落ち葉をテーマに、次の5つの視点を取り入れました。
1.身体を動かす|物語の中で全身を使う
秋の落ち葉がひらひらと舞い落ちる様子を、スカーフを使って表現しました。
両手を大きく上げたり、ゆっくりしゃがんだり、全身を使って落ち葉の動きを楽しみます。
また、虹が出てきた場面では、両腕を大きく広げたり、左右に身体を傾けたりしながら、手からキラキラした光が出てくる様子を表現しました。
「手からキラキラの光が作れるなんて、まるで魔法みたいだね!」
そんな絵本の世界のような言葉を添えながら、子どもたちの想像力をかき立てていきます。
すると、大人の私が思いもよらない動きや表現が生まれることもあります。
物語の中で自由に想像し、自分なりの動きで表現すること。
その一つひとつが、子どもたちの豊かな想像力や表現力につながっていきます。
2.感覚を楽しむ|五感を使った体験
親子ヨガでは、身体を動かすことだけでなく、さまざまな感覚を楽しむことも大切にしています。
例えば、
- 肌が触れ合う感覚や、手の温度
- スカーフの柔らかな感触や色彩
- 抱っこや触れ合いの中で感じる、お母さんの匂い
- 楽器の音色や歌声
- 音楽や手遊びのリズム
こうした日常の中にある感覚を、遊びや物語の中で楽しみます。
視覚・聴覚・触覚(温冷覚・振動覚)・嗅覚など、さまざまな感覚に触れる機会をつくることも、こどもヨガの魅力の一つです。
3.親子の触れ合い|安心感と愛着を育む関わり
今回取り入れたのは「小鳥の毛繕い」と「太陽のいないいないばあ」です。
小鳥の毛繕いでは、お母さんに身体の横や足、頭を優しくなでてもらったり、指先でツンツンと触れてもらったりします。
まだ小さな赤ちゃんには、お母さんからの優しいタッチを通して、肌の触れ合いを楽しんでもらいます。
「いないいないばあ」では、顔を隠してから、ぱっと笑顔を見せます。
こうした繰り返しのやりとりは、親子で一緒に楽しむ時間となり、安心感や愛着を育む関わりにもつながります。
4.呼吸|遊びや歌を通して呼吸に意識を向ける
呼吸も、親子ヨガで大切にしている要素です。
今回は、ろうそくの火をそっと吹き消すような息の吐き方や、風の流れ、ちょうちょうの歌に合わせて鼻呼吸に意識を向ける時間を取り入れました。
歌や遊びをきっかけに、小さな子どもにも、自然に呼吸(息遣い)を意識する経験をつくります。
5.休息|安心して身体を休める時間
身体を動かした後は、休息の時間です。
お星様のポーズや最後のシャヴァーサナ(休息のポーズ)を取り入れ、身体をゆっくり休めます。
このとき大切にしているのは、優しく抱きしめるような言葉がけです。
「たくさん遊んだね」
「気持ちよかったね」
「ゆっくり休もうね」
子どもだけでなく、保護者自身も安心して力を抜ける時間になってほしいと思っています。
保護者自身が休む時間も大切に
今回は、親子ヨガの動きだけでなく、保護者の身体への配慮についてもお話ししました。
妊娠中の方が参加される場合には、体調や妊娠週数に応じて内容や休息時の姿勢を調整する必要があります。
例えば、妊娠中の休息では、仰向けを長時間続けることを避け、身体の状態に応じて横向きなど楽な姿勢を選びます。
また、起き上がる際には、めまいなどに注意し、腹部や腰部の負担を軽くする方法として、一度横向きになってから手で身体を支えて起き上がる方法も紹介しました。
児童館の先生からは、
「ママたちって、横になる時がほとんどないから、少しでも休む時間っていうのは大切だよね」
というお話もありました。
子育て中は、ゆっくり横になって自分の身体を休める時間さえ、なかなか取れないことがあります。
だからこそ、親子ヨガの中に、保護者自身が休息できる時間も大切に取り入れたいと改めて感じました。
1分間の瞑想も体験

今回は看護科の学生さんということもあり、集中力を高めるための1分間の瞑想も体験していただきました。
短い時間でも、自分の呼吸や今の状態に意識を向けることで、気持ちを落ち着けるきっかけになります。
忙しい実習や学習の合間にも、取り入れられる小さな習慣の一つです。
理学療法士とヨガ講師、両方の視点から
今回は、学生さんに実際の場面を想像していただきながら、一つひとつの動きの目的や、子どもへの関わり方を解説する機会となりました。
普段の親子ヨガでは、物語や歌、遊びを通して、親子で身体を動かすことを楽しんでいただいています。
その中には、単に身体を動かすことだけでなく、感覚を育むこと、親子の触れ合い、呼吸や休息など、それぞれに大切な目的やねらいがあります。
いつものクラスでは、あえて詳しくお話しすることのない、そうした背景や意図をお伝えできたことは、私自身にとっても貴重な経験でした。
今後も、理学療法士として身体や発達の視点を持ちながら、ヨガ講師として呼吸や休息、心地よさを大切にしていきたいと思います。
学生の皆さんが、これから小児科などで子どもたちと接する機会があったとき、今回の体験が少しでもイメージにつながったら嬉しく思います。
そして、ヨガは大人だけのものではなく、子どもたちも安心して楽しめるものだということが伝わっていたら幸いです。
ご参加いただいた学生の皆さん、児童館の先生方、ありがとうございました。
