姿勢シリーズ Vol.3|膝を伸ばしすぎていませんか?「伸ばす」と「突っ張る」の違い

前回は、足裏と重心についてご紹介しました。

▶︎ Vol.2|足裏で姿勢は変わる?ヨガで感じる「重心」の話はこちら

今回は、その足裏のすぐ上にある「膝」に注目してみます。

膝はまっすぐ伸ばせば良いわけではない

「姿勢を良くしよう」とすると、
膝を突っ張るように立つ方は少なくありません。

実は、膝を後ろへ押し込むように立つ状態は
反張膝(バックニー)」と呼ばれます。

写真を見ると分かるように、膝が本来の位置より後ろまで伸びてしまっている状態です。

膝の正常な位置とバックニー比較

立っているだけなので、自分では気付きにくいのですが、
ヨガのレッスンでも、このような立ち方をされている方をよく見かけます。

バックニーが続くとどうなる?

膝は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)が組み合わさってできています。

膝は骨だけでは支えられず、靭帯や筋肉が協力して安定させています。

そのため、立ち方や身体の使い方の影響を受けやすい関節です。

膝の使い方の比較

膝をロックしたまま立っていると、膝や腰などに負担がかかりやすくなります。

また、歩き始めや方向を変えるときなど、
膝にねじれが加わる場面では痛みにつながったり、
脚全体の筋肉のバランスが崩れてしまうこともあります。

私はクラス中に、
「膝を伸ばしすぎず、少しやわらかく使ってみましょう」
とお伝えすることがあります。

それは、膝を曲げてほしいという意味ではありません。

膝にやわらかさを残しながら使うことで、
足裏から脚全体へと力が伝わりやすくなり、
立ったり動いたりするときに、より自然に身体を使いやすくなることがあるからです。

毎日、立つ・歩く・座るなど、
たくさん働いてくれている膝だからこそ、
やさしく注意を向けていただきたいと思います。

ヨガで感じてみよう|クッションを軽く挟んで立つ

ターダーサナ(山のポーズ)で立ってみましょう。

▶︎ ターダーサナの詳細はこちら

タオルを挟んだ立ち方

タオルやクッションを、太ももの間に軽く挟みます。

お尻側から手を回してタオルの後ろ側を軽く持ち、ほんの少しだけ後ろへ引っ張ってみてください。
 ※ご家族などに、タオルを軽く後ろへ引いてもらっても構いません。

クッションが落ちないように立ちながら、太ももや膝、足裏の感覚を味わってみましょう。

太ももが少し内側へ引きこまれるような感覚や、膝がやわらかく立てる感覚があるかもしれません。

前回ご紹介した母趾球(親指の付け根)にも、
自然と体重が乗りやすくなる方もいるでしょう。

ターダーサナでは、このような脚の使い方を練習します。

脚全体のつながりや、膝のやわらかさを感じてみましょう。

椅子のポーズ(ウトゥカターサナ)で確かめてみよう

先ほど感じた脚の使い方を意識しながら、椅子のポーズを試してみましょう。

椅子のポーズでかかとの上げ下ろし

足を腰幅に開いて立ち、息を吐きながら椅子に腰掛けるようにお尻を後ろへ引きます。

その姿勢で膝をやわらかく保ちながら、かかとをゆっくり上げ下ろししてみましょう。

余裕があれば、かかとを浮かせたまま数秒キープしてみましょう。

息を吸いながら、ゆっくり元の姿勢に戻ります。

※ふらつく場合は、テーブルや壁などに手を添えて行ってください。

この動きは、膝をやわらかく保ったまま、足首・膝・股関節が一緒に働く感覚を味わう練習です。

普段、膝を伸ばしたまま立つ癖がある方は、
膝の周りがプルプルしたり、足首がぐらついたりするかもしれません。

決して無理をせずに、痛みや強い違和感がある場合は中止してください。

一方で、「なんだか難しい」「思ったよりぐらつく」と感じたら、
それは普段あまり使っていない動きを身体が教えてくれているサインかもしれません。

まとめ|「伸ばす」と「突っ張る」は違う

姿勢を良くしようとして膝を伸ばすことは悪いことではありません。

でも、「伸ばす」と「突っ張る」は少し違います。

今回のターダーサナや椅子のポーズを通して、
「いつもより立ちやすい」「動きやすい」
と感じることがあれば、それは身体からの大切な気づきです。

正しい姿勢を目指すのではなく、自分の身体に耳を傾けながら、
心地よく立てる姿勢を少しずつ見つけていきましょう。

次回予告|股関節は姿勢の要?

次回の姿勢シリーズでは、「股関節」をテーマにお届けします。

膝の上にある股関節が動きやすくなると、
立ち姿勢や歩きやすさはどのように変わるのでしょうか。

ヨガを通して、一緒に身体のつながりを感じていきましょう。

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